【解説】空売りって何ですか?

Basic economics 経済

本日は経済トピックでよく出る空売りについて解説します。

ざっくり要約

  • ただ売るのと何が違う
  • 空売りでかかるコスト
  • 恐怖のショートスクィーズ
  • まとめ




ただ売るのと何が違う

株が下がっても儲けたい


株が下がると、株の価値が下がってしまいますが、そんな時でも利益を出したいですよね。
そういう時に使えるのが空売りです。
空売りとは、現時点の価格で手持ちにない物を売って、どこかの時点で買い戻して利益を得る手法です。

人の株を借りて売る

現在持っていないものをどうやって売るんでしょうか?
今持っていないのであれば、人から借りればいいんです。
人から借りて、株を売って、どこかの時点で買い戻して返せばいいんです。
そうすれば手持ちは元通りになります。
しかし、人から借りるという事は絶対に買い戻さなくてはいけない義務があります。
一度売ってしまったらもう逃げられないのです。




空売りのリスクは無限大

現物株のリスクの最大値はその額面の株の価値が0になった時に最大になります
つまり、買った時の金額分がリスクです。

ただし、空売りの場合は違います。リスクは無限大です。

例えば、あまり利益が出ていないと思われている株がとんでもない利益を出したり、とんでもない発明をしたとします。
発表後にストップ高になってすぐに買い戻すことが出来なくなるかもしれません。
そうなると株価が上がるだけリスクになってしまいます。

上がれば上がるほどリスクが増大します。ゆえに空売りはリスクが無限大と呼ばれます。




空売りにかかるコストとは

 

空売りにかかるコストにはさまざまなものがありますが、ここでは代表的なものを紹介します。

手数料

証券会社に支払う取引手数料です。現物を売り買いするときも当然かかるので必要コストといえます。

貸株金利

空売りでは、他人から株を借りるので、貸主に対価を支払わないといけません。
この対価のことを貸株金利と呼びます。

よく証券会社で貸株サービスがあると思います。
「貸株をすると0.1%くらいの金利をあげますよ」という制度です。
証券会社は0.1%くらいの金利で株を集め、空売りしたい人に2~3%くらいの金利で貸して利益を得ています。

しかし、時には空売りしたい人が集まりすぎてしまうことがあります。
そうなると証券会社の集めた貸株だけでは貸せなくなる時があります。
その時には証券会社はない分は他の証券会社から高い金利を払って調達する必要が出てきます。
こうなると、通常の金利に加えて、逆日歩と呼ばれるスペシャルな金利を支払う必要があります。

逆日歩が発生するとかなり金利は高くなります。
特に取引量の少ない株で空売りをすると、逆日歩が発生しやすいため注意が必要です。




配当相当金

株を借りているので、権利確定日をまたぐと貸主に対して配当相当金を支払わないといけません
借りている株を売ってしまったので、売った株の会社の代わりに自分で配当分を負担するという事です。
権利日をまたいで空売りをしてしまうとこういったコストがかかるので注意が必要です。

権利日後は配当分株価は下がることが多いですが、たまにそんなの無視で上がることがあります。
そうなった場合、配当相当金を払わなければいけないし、株価が上がって損失が出たりと散々な結果となります。




恐怖のショートスクィーズ

ショートスクィーズとは

ショートスクィーズの言葉の説明ですが、『ショート』は空売りの事です。
よく空売りのことを『ショート』と呼びます。
諸説ありますが、空売りは手元にない物、つまり不足しているものを売ってしまうという行為です。
不足は、英語で『shortage』といいます。ここから空売りのことをショートと呼んでいます。
次に『スクィーズ(Squeeze)』ですが、これはぎゅっと絞るとか、押しつぶすとかいう意味です。

つまりショートスクィーズは空売りしている人がギュッと絞られるという意味です。
めっちゃ怖いですね。

ショートスクィーズの仕組み

ショートスクィーズは、空売りがされすぎている銘柄でよく発生します。
空売りしている人が多数の相場では、将来買い戻さないといけない人がかなりの人数集まっています。
一方的に下がる相場から、安すぎてお得感が出て 急に買戻しが入ったとします。
この変化に気づいて空売りしている人が「これは早く逃げないと」と思い
空売りしていた銘柄を一気に買戻しし始めます。
ここから一気に株価が上昇するため急激な株価の上昇が起こり空売りしている人がギュッと絞られちゃうわけですね。
ギュッと絞られた人はお金を失い、絞りカスとなるのです。




まとめ

今回、空売りを紹介しましたが、空売りはかなりリスクの高い取引ですので、初心者にはお勧めできません
正直言って空売りのようなアクティブな取引は私はあまり好きではありません。
安く拾って配当をもらうなどそういう取引の方が安定して利益を出します。

ただし、空売り比率には注目しましょう。空売りは将来の買いなので空売りによって大幅に反発することもあります。
あまりに売られているとか市場のひずみをいち早く見つけ相場を観察することは儲けにつながります。

以上です。
今後も興味深いトピックがあれば紹介します。




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