2022年7月1日に2022年6月度のアメリカのISM製造業指数が発表されました。
こちらの内容について解説したいと思います。
ざっくり要約
- 6月の結果について
- まとめ
6月の結果について
25か月連続の成長
6月のISM製造業指数は53%を記録し、25か月連続の経済拡大を示しております。
しかし、5月の56.1%より3.1%低くなっており、2020年6月以来の最低な数値です。
ISM新規注文指数について
ISM新規注文指数は6月に49.2%となり、5月の55.1%に比べて5.9%減少しております。
これは、ISM新規注文指数が24ヶ月連続で増加した後、新規注文量が減少したことを示しています。
価格の上昇とリードタイムの延長により、サプライチェーン全体で新規注文率が低下したと思われます。
鉱工業指数について
鉱工業指数は6月に54.9%となり、5月の54.2%より0.7%ポイント高く、25ヶ月連続の成長を示しています。
石油・石炭製品・コンピュータ・電子製品・輸送機器および化学製品が成長を拡大しています。
ISM雇用指数について
ISM雇用指数は6月に47.3%を記録し、5月の49.6%を2.3%下回っております。
2020年8月に記録した47.1%以来の最低値です。
サプライヤーの納期について
サプライヤー配達指数は6月に57.3%となり、5月に報告された65.7パーセントより8.4パーセントポイント低いため、納期の遅延が発生していそうです。
特に、機械・コンピューター・電子製品・食品・飲料・タバコ製品・輸送機器・化学製品は遅延が発生していそうです。
在庫指数について
在庫指数は6月に56%となり、5月に報告された55.9%より0.1%ポイント高くなっています。
5月よりも少々在庫が増えていますので、今後の納期改善に寄与しそうです。
ISM顧客在庫指数について
ISM顧客在庫指数は6月に35.2%となり、5月に報告された32.7%より2.5%ポイント高くなっております。
顧客の在庫は69か月連続で低すぎる状態が続いております。これは将来の生産成長にプラスになります。
ISM価格指数について
ISM価格指数は78.5%となり、5月の82.2%に比べて3.7%ポイント低くなっております。
これは6月の原材料価格が25ヶ月連続で上昇したことを示しています。
物価指数は過去19か月のうち18か月で70%を超え、22か月連続で60%を上回っています。
ISM受注残指数について
ISM受注残指数は6月に53.2%となり、5月に報告された58.7%と比較して5.5%ポイント低くなっております。
これは受注残が24か月連続で拡大したことを示しています。
まとめ
経済成長の鈍化が見えてきており、雇用の伸びも怪しくなってきました。
顧客在庫指数がまだだいぶ低いため将来の需要はあるかもしれませんが、在庫問題が解消された後に急に注文がなくなる可能性もあります。
この結果からも景気後退の足音が聞こえてきそうな感じがしますので、自分のポートフォリオのリスクを低くしておくことは重要かもしれません。
コメント